ARCHIVE >> 1999 >> DMC JAPAN FINAL 1999 REGIONAL REPORT
   
DMC JAPAN FINAL 1999 REGIONAL REPORT
[北海道・東北ブロック]
1999/5/1(Sat)
@エルパーク仙台

Judge:
DMC JAPAN, DJ TAKADA

全国の口火を切って開催された東北ブロック。昨年度代表でJAPAN FINAL4位 となったMickyは残念なことに欠場だったが、北海道のバトル風を熱くしているTurntablistのTAMA、昨年度東北ブロック準優勝のTOMMY等の強豪は出場してきた。総数11名の参加者から、1回戦3分のプレイで4人を勝ち残りとし、3分の最終選考で1999年度の北海道・東北ブロックの代表者を決定する。 まず1回戦で気になったのは、このブロック常連の一人TAMA。気迫を感じるスクラッチと、構成のテンポの良さが光っていた。そして関東ブロック出場が間に合わず、急遽茨城より参加の15歳のMICHAEL。落ち着いてジャグリングをこなし、将来に十分な期待を持てるプレイを披露。DMCに出場する国内最年少のバトルDJに、リスペクトを送りたい。3人目も常連の一人TOMMY。音的には地味ではあったが、安定したリズムキープのジャグリングで問題無しといったところ。そして最後の枠には、このブロックには珍しい高速のジャグリングを丁寧にこなしたNAKANISIがおさまった。 最終選考では、まずMICHAELが97年度JAPAN FINALのTAKAYASUのネタと一緒になってしまったのは残念だった。そしてリズムキープの上手いNAKANISI、AKAKABEのスタイルにやや似ていたので、そこにもっと自分の感性で音を表現して欲しかった。 昨年惜しくもMICKYに優勝を奪われた二人に、北海道・東北代表の座は絞り込まれた。TOMMYはあくまでジャグリングをベースとしたルーティンを見せたが、技から技への構成力に課題が残った。対するTAMAは、構成では抜きん出ていたものの、スクラッチで針飛び等のミスが目立つなど、気合が悪い方向へと働く場面 も。しかし総合的に評価すれば、TAMAが本年度の代表の座にふさわしかったと言えるだろう。 基本的にこのブロック全体に言えることは、ジャグリング主流であること。スクラッチでグイグイくるタイプが少ない。そんな中で、スクラッチを織り交ぜ見せ方を意識したTAMAが光ったと言えるだろう。東北・北海道ブロックは、着実に次の段階を踏んで行っているようだ。
[北陸ブロック]
1999/5/28(Fri)
@GENERATE CLUB

Judge:
DMC JAPAN, KATSU

1st DJ KOU
日本でDMCが1990年に開催されて以来、2年連続で世界4位 の実績を残したのはAKAKABEただ一人である。彼はその2年間で世界中のターンテーブリストに出会い、そして貴重な経験をしてきたDJだ。1997年のイタリアでの世界大会の際には、歴代世界チャンピオンの、CASH MONEY・CUTMASTER SWIFT・Q-BERT・Roc Raider・NOISE達と一夜を過ごした。そして1998年のフランス大会では、CRAZE・Lil Jaz・PRIME CUTS・A-TRAKなど世界中のDJに日本代表として「アカカベ」の名を記憶させてきた。そしてそのAKAKABEを輩出したこの北陸ブロックが、今年は富山にて開催されることとなった。  このブロックの特徴は、絶対的な高速ジャグリングである。これはAKAKABEもそうだが、その師匠の DJ NOZAWAからの伝統的なスタイルであろう。しかしスタイルが受け継がれていくものならば、必ず受け継ぐDJはその技を進化させていかなければならない。事実、AKAKABEは、その速さをとことん追求したスタイルを自分のモノにし、世界に認めさせた日本が誇るTURNTABLISTである。  今年のエントリーしたDJの中に、AKAKABEと同じクルーのKOUの姿があった。KOUは神奈川県在住だが、AKAKABEと共にサンフランシスコへ武者修業に渡り、5月2日の関東大会に間に合わず北陸でのエントリーとなった。そしてもう一人忘れてはならないのが、昨年北陸代表でAKAKABEの弟子YOSHIKAZUである。昨年のJAPAN FINAL出場の経験から、新しい何かを掴み取っているかが鍵になるだろう。  大会の方は、この二人の直接対決といって間違い無かった。KOUはエレクトロネタを使い、スクラッチ・高速ジャグリングでグルーヴ感を生み出していく。対するYOSHIKAZUは、高速ジャグリング1本で流れを作っていく。技のバリエーションといった部分で、YOSHIKAZUのプレイスタイルにもう一つ何かが欲しかった。しかしその高速でのリズムキープという高い技術力を、自分のイマジネーションで表現していけばかなり面 白くなるはずだ。  KOUは、今大会の出場を辞退しているAKAKABEに変わり、どこまでJAPAN FINALに食い込んでいくかがミモノである。全国の強豪達は、AKAKABEに勝つために練習してきた。そしてそのAKAKABEが出場してこない今、まさにバトルの戦国時代が始まったといえるだろう。
[関東ブロック]
1999/5/2(Sun)
@六本木CORE
Judge:
DJ TA-SHI, KENSEI, MASUYAMA (DMR)
1st DJ TAKADA 2nd DJ TSURU
ニューヨークでの世界大会ということもあり、Beat KnucklesメンバーのDJ TAKADA(1996年 DMC JAPAN CHAMPION)が参戦を表明した関東大会。1998年度のファイナリストのMISSIE・AKそして現在注目株のMixologistsからHANGER・TSURUと続々と強豪が名を連ねた。 ここ最近渋谷レコ屋街のバトルブレイクの売上げ上昇が示すように、首都圏を中心にバトルDJへの関心が急激に高まっている。実際テープ審査の応募総数は73名に達し、大会に出場することさえも難関となりつつあり、必然的にそのクオリティも高いものへと押し上げられている。  1回戦3分のプレイで6名を勝ち残りとし、最終選考を行う予定だったが、レベルが均衡していたため、RYO・TAKADA・COBI・TSURU・IRIE・AK・HANGER・MISSIEの計8名が挑戦権を手にした。1回戦では正確なジャグリングでトップにたった技巧派RYO、そしてオリジナルな縦フェダー使いのCOBI、そして世界に通 用するクラブスクラッチのHANGER、格段に進歩を遂げた昨年FinalistのAK、プレイに常に味を加えていくMISSIE、久々のバトルにもかかわらず落ち着いたプレイを見せたIRIE、それぞれがオリジナルのルーティンを見せたが、TSURUとTAKADAが一歩抜け出す技術とアイディアを見せ、優勝をどちらが獲るかに絞られた。  TAKADAはつかみのイントロ部分から入り、ジャグリングそして味のあるスクラッチで、起承転結のある抜群の構成力をノーミスで披露した。22名の出場者中、バトルブレイクスを使用しなかったのはTAKADAと、1回戦敗退はしたもののDINASTYの二人だけだった。  対するTSURUの方も、3分間を完全にタイトにまとめあげ、かつその素晴らしい技術力を用いて、スクラッチ・ジャグリング・ピッチコントロールを同時にこなす器用さを見せた。 はっきりいってスタイルの差があり、技術・音・オリジナリティの何処に主眼を置くかで審査の難しさがあったが、結果 的にはジャッジ全員が納得の上、TAKADAの優勝が決定した。個人的にはTSURUの出現は、経験を積む事で関東の今後をより面 白くしてくれると感じている。自作のリバーススイッチを取り付けるなど、TSURUのTurntablistとしての意気込みを感じた。そしてTAKADAも健在である、1996年の屈辱以来、二度と出ないと思っていた男が帰ってきた。  7月30日にはこの2人のルーティンを見にくるだけでもその価値があると思う。そして2人には関東代表として、限られたものだけが許されるJAPAN FINALの雰囲気を楽しんでほしい。
[東海ブロック]
1999/6/6(Sun)
@静岡パルシェ

Judge:
DMC JAPAN, DK, KOHGA etc.

1st DJ KENTA
日程的に最後の地方予選となった東海ブロック、関東からのアクセスの良さもあり、出場者22名中半数近くは関東からのチャレンジとなった。なんと沖縄・滋賀からのエントリーもあり、その熱い気持ちに本当にリスペクトと感謝の気持ちを送りたい。激戦地区を避けて出場することも作戦の一つだし、同じチームのDJ達が決勝に出場する為に、違う地区で受けるのも今後の作戦の一つになるかもしれない。  バトルの形式は、1プレイ3分の1発勝負。会場は無料に開放されたスペースなので、スタート時には吹き抜けの2階から観戦するお客さんを含めてかなりの人数が集まっていた。クラブでやるバトルとは違った緊張感とでもいおうか、この雰囲気の中でのプレイにはかなりの経験値が必要となるはず。比較的若い参加者が多かった為か、緊張でプレイを中断するDJが多かったのは残念だった。ネタを即興で作っている出場者が多かったのも、その原因の一つだと思う。  注目のDJは、名古屋からDJ KENTA(1997年度DMC JAPAN FINAL4位 )、そして昨年東海ブロック3位のKATSU-MIX、そして沖縄よりDJ TAKA、本年度の関東ブロックFinalistのDJ COBI。まずは3番目に登場のKATSU-MIXは、前半部をスクラッチとジャグルの複合、中盤にスクラッチ主体、後半部にピッチを使ってメロディーを作っていて構成的には良かった。そして7番目のDJ TAKAだが、基本はOLD SCHOOLな感じで、ジャグルにクラブスクラッチを混ぜた安定したルーティーンを見せてくれた。そして18番目のDJ ATSUSHIは技術的には良いものを持っていたのだが、レコードを変える時に音の出ている方を上げてしまうという凡ミスがもったいなかった。そして大本命のDJ KENTA、さすがに見せ所を押さえて構成されたルーティーンは、他の出場者より頭一つ抜け出ていたようだ。シメの部分には、完全にバトルモードのワードプレイで他の出場者を蹴散らした。期待されたCOBIだったが、緊張のためルーティーンを忘れてしまい、途中で自らプレイを終了するという残念な結果 となった。優勝はDJ KENTAで、1年振り2度目のJAPAN FINALの挑戦権が与えられた。
[関西ブロック]
1999/5/2(Sun)
@CLUB CORN

Judge:
GM YOSHI, DJ SHARK

1st DJ ZOE 2nd DJ KEISUKE
過去、関西から多くの強豪達がDMC JAPAN FINALに挑んできた。そして昨年末に開催されたDMCの本部推薦枠を賭けたTeens DJ Battleで、早くも関西のTAIJIは優勝を決めている。FINALまでの時間は、他の挑戦者達よりもゆとりがあるので、今大会は注目の選手となるだろう。個性を武器とした関西勢は、常に優勝にからんでくる目の離せないブロックである。出場者は13名で、平均年齢が20才と低年齢層のエントリー傾向となった。地元の出場者はもちろん、遠くからは福井・岡山・横浜・広島からと参加してくれたのは見逃せない。  関西ブロック大会は、1人3分間の1本勝負で決定されるため、ミスの多さは命取りになってくる。今大会は関西の強豪DJ SHINが出場していないだけに、誰が抜け出してもおかしくない状況に有るだろう。  5番目に登場したDJ FULUは17才にして、リズムキープを丁寧にこなした2パターンのジャグリングを見せた。若いDJ達の力は本当に侮れない。そして次に登場したDJ KEISUKEは、DJ KOOLのジャグリングで速い展開でパターンを作りだし、グルーブ感を持った音は見ていて素直に納得できるものだった。音を作り出すTurntablistの役割を、しっかり理解した見応えの有るルーティンに高得点が期待される。そして8番目に登場したのが、DJ SHINと同じクルーTurntable Troopersの一員DJ ZOE、応援団の後押しを受けてド派手なアクションで客を味方につけていく。バトルブレイクスを使用しないで、TLC・BEASTIE BOYS等の大ネタを綺麗にジャグリングしていく。これがZOEのスタイルで、スタイルを持っている自信から余裕の有るプレイを見せた。 審査結果は優勝ZOE・準優勝KEISUKEという形となった。優勝・準優勝は得点的に接戦となっていたが、3位 以下との差は大きく溝を開けた形となった。代表となる2人のDJは、スタイルにこそ大きな差は有るが、FINALでは関西独特のリズム感のあるルーティンを期待している。そしてGM YOSHI以来、惜しいところで届かなかった日本代表の権利をもぎ取って欲しい。
[九州ブロック]
1999/5/30(Sun)
@博多FUNKY CAFE

Judge:
MICK , GM YOSHI, TA-SHI

1st DJ HIROKI
全国強豪区の一つの九州ブロック。他のブロックとはまた一味違った雰囲気を持っているだけに、日本人としての個性を世界に示せる期待が高い。昨年度は、九州代表となったHinga‐Higaが、沖縄独自のスタイルを見せつけ日本3位 という素晴らしい結果を残した。この実績が考慮され、今大会は九州ブロックから2名の選出となった。イベント自体は、ブレイキング・DJバトル・ラップとドープなHip-Hopエレメンツが展開され、中でも来日したPoppin' Tacoのブレイキングに、会場に詰め掛けた観客は本場の空気を感じていた。  大会の方では予選によって絞られた10名が、3分のプレイで決勝への2名の席を賭けて争うこととなる。今年は10名中の4名がHigaと同じ沖縄で、自分達のオリジナルT-Shirtsを着込み気合は十分。そして昨年九州大会では惜しくもHigaに敗れたHirokiが、年に1度のこの大舞台でリベンジを果 たせるかどうかに関心が集中した。  出場者全員が緊張で動きが硬いようだったが、そんな中で5番目に登場したSeraは、昨年度より確実に進歩していて良かった。前半では、ジャグリングの合間に縦・クロスのスクラッチをいれて左右のスクラッチに挑んでいた。但し、徐々にペースが乱れ雑な感じが出てしまったのが惜しかった。しかし来年度を期待させるには、十分な良い内容だった。そしてやはり見せてくれたのが6番目に登場のHigaだった。テンポの良いジャグリングに、1回ごとに異なるスクラッチを見せ、スタート・ストップボタンまで使いこなすという難易度の高い技をあくまで“オカズ”としてさらっとやっていた。そして中盤では、音を抜いたジャグリングにスクラッチを混ぜ、後半ではビートにのった気持ちの良いスクラッチを作り出していた。しかし前半部分から中盤への移行時に、音が途切れてしまうというミスは大きな痛手となった。そして対する9番目に登場したHirokiは、とにかく見せ方が上手い九州スタイル。スクラッチでビートを作りながら、随所で見せるパフォーマンスにより、観客の心を前半部分でつかんでいく上手さは見事だった。Hirokiの作り出すルーティンは、前半・後半の2部で構成されており、ジャグリングを主体としてスクラッチで味付けしていくスタイル。後半のジャグリングでは、針飛びの凡ミスも有ったが、3パターンの音の崩し方をHirokiなりに表現していた。この両者は、非常に作曲能力が高く、かつ自分のスタイルを持っていることが何よりも素晴らしい。ただバトルは、本番でのルーティンの完成度が問われる為、Higaのミスが命運を分けてしまった。JAPAN FINALでは、この二人が優勝争いにからんでくる可能性は間違い無いようだ。  本番でのミスは許されない、このプレッシャーに勝ってこそ真のチャンピオンとなることが出来る。
 
 

(C)Copyright 2005 DMC JAPAN All rights reserved.